プロジャグラーとしてどのように仕事を得るか

第18回 プロジャグラーとしてどのように仕事を得るか

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先月のことになりますが、山陰パフォーマーが主体となったフェスティバル「松江がジャグる日2012in玉造温泉」に出演してきました。
山陰パフォーマーの皆様との交流と、立ち上がったばかりのイベントならではのたのしさを満喫してきました。

この熱がこれから山陰地方のパフォーマンスシーンに何を生み出して行くのか。その未来を思うととてもわくわくします。



このように公演などでいろんな土地を訪れる機会があります。
驚くのは、どの土地に行ってもパフォーマーやパフォーマーを志す方にお会いすることです。

私がジャグラーであるからでしょうが、ジャグリングに真剣に取り組む方がだいたいです。

松江が、ジャグる日「松江がジャグる日2012 in 玉造温泉」のフィナーレ

これから「プロジャグラー」はさらに増えて行くでしょう。 では「プロジャグラー」になるために、もっと直接的に言うと、「プロジャグラーとして仕事を得る」ためには、どうすればよいでしょうか。

それが今回のテーマです。冒頭に触れた「松江がジャグる日」でも、話をしていてそんな話が出ました。何かのヒントになれば幸いです。




具体的な話に入る前に、ひとつ考えたいことがあります。 「どの土地に行ってもパフォーマーに会う」と先に書きました。
パフォーマー人口は年々増えています。推測ですが、ここ数年、パフォーマーを廃業する数と新規参入する数では、後者の方が多いのではないでしょうか。

実際、東京都の大道芸ライセンス「ヘブンアーティスト」の審査には、毎回、100組を越す応募があります。
パフォーマーの数が増えて行った時に、どうなるか。 結論だけいうと、パフォーマーの活動場所の棲み分けがおきるでしょう。

全国的(あるいは全世界的)な知名度や実力を持って高いギャラと共に活動するひとと、そうでないひとです。
後者に関してはギャラは下落方向に働くかと思います。のっけから厳しい話になってしまいましたが、今後10年のうちにそうなるのでは、と私は思ってます。

その時に「ローカル」「グローバル」という棲み分けがうまれるというのが予測です。
---が、今日のところはこの辺で、また稿を改めてこの話題には触れたいと思います。 ここで押さえておいて欲しいのは、自分は「どこ」をターゲットにして活動するのか意識するということです。

活動するからには「大きな」ところを目指すのは当然の方向ですが、世間一般に知名度があがるのがよいとは限らない、というのは片隅においていてよいことです。
一番大切なのは「よい仕事」をすること。



さて、本論です。 プロジャグラーとして仕事を得るには。
そして、仕事として末永く取り組んで行くためには。 ポイントを4つ挙げます。

◆トレーニングしましょう。
◆プロモーションしよう。
◆礼儀を大切に。
◆PDCAを繰り返そう。

 

 

◆トレーニングしましょう。
本コラムでは、今まで「ジャグリング」が職業となる可能性がある分野を順に取り上げ来ました。自分の中で一番ひっかかりを感じた職業は何でしょうか。
それを踏まえて、それを実現するために必要なことを考えましょう。 ジャグリング人口が増えた先には、実力を地道に養ってきたひとしか残れません。
ちなみに、プロとして一人前になるには10,000時間のトレーニングが必要と言う説もあります。(1日3時間トレーニングするとして、10年弱!)


◆・プロモーションしよう。
この点に関しては、本コラムですでに取り上げました。 例えば、「第7回 プロジャグラーの仕事 ステージ」をごらんください。
「営業」に関することがメインですが、ショーに限らず、応用できるでしょう。


◆ 礼儀を大切に。
最近感じることがあります。キャリアの長い方ほど、メールの返信がはやく、対応が丁寧!そして、相手を問わず、あいさつをしっかりとする姿をみます。
この点、私もまだまだで、見習わねばと思っています。 いっしょに仕事をするのであれば、仕事がしっかりしていることももちろんですが、気持ちよく仕事をできるひととやりたい、と思うのは自然なことですよね。


◆PDCAを繰り返そう。
PDCAとは、plan-do-check-act、つまり、計画ー実行ー評価ー改善のサイクルのことを言います。
自分が取り組んでいる事に対して、計画を立て、実行してみて、それがどうであったのか評価し、問題があれば改善をして、また計画を立てる。
これを繰り返す事で、一回限りの仕事に終わらずに、ずっと続く「職業」になって行くでしょう。



冒頭で少し触れましたが、活動の「場」というのはよりグローバルに、そしてよりローカルになって行くでしょう。
その時に大切なのは、結局自分がどのような「価値」を提供できるか、ということです。

しかし、自分の「価値」というのは往々にしてわかりにくく、目の前の価値を追い求めると小さくまとまりがちです。
大きな夢を抱きつつ、地道に目の前にある小さなことを全力でやって行くのが何よりの「成功」の道だと私は信じています。
大きな夢がなければ、ぐねぐねと志が曲がりくねって気付いたら自分の意図しないところに流されて行きかねませんし、大きなことばかりみていては何も生み出せない危険もある。

私自身まだまだ道半ばですが、今まで活動で感じたことをまとめてみました。ヒントになれば幸いです。



最後に、宣伝になるのですが、この度トークイベントに出演します。

題して「パフォーマンスビジネスの未来」。面白いメンバーでパネルディスカッションします。私は本コラムにある問題意識のもと話をします。

今回の内容に関してももう少し掘り下げた形でコメントできればと思っています。 観覧もできますし、Ustreamによるウェブ中継もあります。

お時間ありましたら、ぜひ。12/26(水)19:30~です。詳しくはこちらをご覧ください。 「パフォーマンスビジネスの未来」イベントページ

ハードパンチャーしんのすけ

プロジャグラー。日本のデビルスティックのパイオニアとして、エンターテイナー、インストラクター、
プロデューサーとして、日本全国で活動中。
  • 【受賞歴】
    アクア大道芸フェスティバルふれあい賞(2002)
    日テレArtDaidogeiグランプリ優秀アーティスト賞(2004)
  • 【活動】
    ジャグリング講師---関東にて6教室展開中。
    ジャグリングイベントプロデューサー---現在は月に一回のライブ公演「門仲ジャグリングナイト」主催。
    被災地応援パフォーマンス団 代表---東日本大震災被災者に「パフォーマンスで笑顔を届けよう!」と
    プロジェクトを立ち上げました。 http://playforjapan.info
  • 【出版等】
    教則本「デビルスティック大全」
    DVD「FantasticDevilstick」
  • 【メディア出演・掲載】
    フジテレビ「笑っていいとも!」(2005)日本テレビ「赤鼻のセンセイ」(2009)NHK「極める!」(2010)
    読売テレビ「教育ルネサンス~東大解剖」(2007)サンデー毎日(2009)FRIDAY(2009)
    DVD『LICENSE vol.TALK SHINAGAWA』特典映像出演(2011)
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